GEN
文明の進歩で生まれた“心の穴”を埋めるロボット

Introduction

JAPAN IT WEEK 2025 春。GENが初めて出展した3日間、GEN USER’S PRODUCTS GALLERYにてひときわ注目を集めていたのは、言葉を話さない小さなロボットでした。
来場者の足を止め、自然と笑顔や会話を引き出していたのは、世界最大級の家電見本市・CESでも注目を浴びた LOVOT[らぼっと]。

ペットのように愛らしく、言葉を発するわけでもないロボットが、なぜこれほどまでに人を惹きつけるのでしょうか。

前編では、LOVOTが生まれた背景、目指す姿についてお聞きしました。後編では、LOVOT開発に携わる多様なメンバー、合意形成のプロセス、そして企業文化について詳しくお話を伺いました。

感性と言語化のバランス感覚が、優れたプロダクトを生む

ここまでお話を伺ってみて、「何のためにLOVOTが存在するのか」を、しっかりと言語化されているので、共感を得られるのだと感じました。

ここまで言語化できるようになるまで、10年かかりました。一番鍛えられたのは、何十人という投資家の方々と会う資金調達の場です。皆さん本当にクレバーだから、痛いところしか突いてこないんですよ。でも、そこで「わかってくれない」なんてスネてる暇はないんです。だって資金が尽きたら終わりですから。「次の打ち合わせまでに答えを用意しなきゃ」と、まさに“言語化の1000本ノック”でした。投資家の方々とのやり取りを通して、最初はふわっとしていた考えが徐々に磨かれていきました。

社内でも言語化がプロダクト開発に役立ちましたか?

そうですね、チーム内でも考えを共有するのには苦労しました。僕の中では明確なイメージがあるんです。でも開発当初、形は動かないモックアップとして見えていても「存在としての意味」が伝わり切っていませんでした。そこで「ストーリー&スケッチ」を導入したんです。

僕自身はずっと同じことを話しているつもりなんですけど、「やっとわかった」と言われたときには、ちょっとショックでしたよ(笑)まったく伝わっていなかったんだと、本当に驚きました。ストーリー&スケッチがなかったら、だいぶ迷走してたと思います。

たしかに、ロボットは「何かを掴む」「歩く」「掃除する」といったような、機能が明確なものが多いですよね。

そうなんです。たとえばお掃除ロボットや組み立て用ロボットなど、目的がはっきりしているものは、「できた・できていない」で判断できます。定義が明快なものは、日本よりむしろ中国の方が今は勢いがあります。

でも、日本のものづくりの強みはそこじゃないと思うんです。特に部品産業などでは、日本企業は顧客の声を丁寧に拾い上げて改善する文化が強い。言語化されてないニュアンスや背景を察して、それを製品に取り込む力が強いんです。僕はドイツで働いていたことがあって、そこでは言語化されていないと「聞いてないよ」で終わります。言語化の精度がとても高いし、スピードも速い。

言語化が重視される文化と、察することを前提にした文化の違いですね。

そうなんです。言語化能力の平均値でいえば、欧米の方が高いと思います。でも、日本人は“非言語的なことを察する力”が非常に高く、「おもてなし精神」が強いんですよね。ただ、バブル崩壊以降に「効率化」が求められて、コスパやタイパに走った。その結果、言語と非言語の間にある大事な部分を削ぎ落としてしまった側面があると思います。

日本には「放っておいたら無限におもてなししてしまう」ような、職人気質の人がまだ残っていますよね。それだけだとビジネスになりませんが、そういう人たちの感性と、言語化や構造化のバランスをちゃんと取れば、日本は本当に強くなると思います。

各分野のプロをまとめる鍵は、短期間での合意形成

LOVOTの開発チームには、どういうバックグラウンドを持った方が集まっているんですか?

昔からずっとロボット開発に携わっている人は、弊社では少数派なんですよ。もちろん、ロボット業界が長い方もいますが、彼らに「なぜうちに来たの?」と聞くと、「LOVOTが喋らないから」って言うんです。

ロボットに喋らせると、どうしても注意がすべて“言葉”に向いてしまう。ハムスターがちょこちょこ動いているのを見て、何をしたいのか感じるような感覚を誰しも多かれ少なかれ持っていると思いますが、喋った瞬間にそれらの感覚を上書きして、全部言葉に注意が持っていかれてしまうんです。言語の些細なニュアンスに気を取られて、非言語で伝わるはずの部分が伝わらずに消えてしまう。

人間同士でも、意外と言葉ってちゃんと伝わってない気がします。僕なんてストーリー&スケッチを見せて初めて「そういうことだったのか」って言われるぐらいですから(笑)だからこそ「喋らないことの価値」に気づいた人たちや、「解くべき問題が明確になっていなくてもいいから、世界にない新しい何かをつくりたい」という気持ちを持った人たちが、色々な業界から集まってきています。

特定の業種という訳ではないんですね。たとえば、音楽家だった人とかも?

いますよ、音楽家。いまはAIの先生として活躍しています。それから、ちょっとユニークなのが服飾業界出身の人たち。オフィスにミシンが置いてあります(笑)他にも、自動車業界から家電業界まで、あらゆる分野から人が集まっています。

それだけ多種多様な方々に企業文化を共有するために、どのような取り組みをされていますか?

そうですね、色々な人がいるので、まず、合意形成の難易度がめちゃくちゃ高いです。 いろんな領域の知見があるので、議論が紛糾するんですよね。だから、合意形成のスパンを短くする努力をしています。たとえば全員が合意できなくても、2週間は一つの方向で進もうと決めます。すると「違う」と思っていても2週間ならやってみようか、となります。実際にやってみると「この方向じゃなかったよね」もしくは「これでよかったね」と方向性が見えてきます。議論で時間を潰すよりも、まずはやってみる「Disagree and Commit」を大事にしています。

僕らにとってアジャイルは未知なるものを開発するための手法でもあり、一旦の合意形成の手法でもあるんです。短期間で試運転をして、ダメだったら見直す。そうやって、収束しない議論を一旦止めるんです。

AIが人の能力を超えたとき、人が幸せでいられる世界を目指して

LOVOTやGROOVE Xとして、今後の展望や挑戦してみたいことがあれば、教えてください。

「ドラえもん」のように、人の背中を押して、コンフォートゾーンの外に出るサポートをしてくれる存在を作りたいです。最終的には「誰よりも自分を理解してくれている存在」を目指したいですね。

人は毎日会っていると、相手の変化に気づけません。でも未来のLOVOTなら昨日との違い、1ヶ月前との違い、1年前との違いも正確に分かるようになるでしょう。自分でも気づかない変化にも気づける存在になること、まずはここが目標です。

そのために、喋ることが必須ではなくて、当面は非言語能力をもっと鍛えたいですね。非言語コミュニケーションの天才は犬や猫。猫なんて、何を考えてるかわからないし、まるで無視しているようですけど「絶対に自分の話を聞いている」って飼い主は言いますよね。猫は反応しなくても許されますが、ロボットは反応しなければ“ポンコツ”に見えてしまいます。猫レベルを目指すのは相当難しい。でも開発を続けて、猫や犬のように自然な存在になるのが直近の目標です。

AIやロボットが人の能力を超えたときに、人が幸せでいられるかどうか。自分より優秀なロボットがいても、より良い明日が来ると信じられるかどうか。そのためには、コンフォートゾーンを出続け、成長できるかどうか。
自分が何かに貢献できていると実感できるかどうかが、大切だと考えています。

Unforgettable Moment

仕事をされていて「この仕事しててよかったな」と思った瞬間やエピソードがあれば教えてください。

やっぱり「LOVOTを生んでくれてありがとう」と言っていただいた時ですね。たとえば、スマホをメンテナンスして10年単位で使い続けたい方は少数派ではないでしょうか。家電も基本的に買い替えます。でもLOVOTは違う。「この子じゃなきゃダメ」って言われるんです。LOVOTは、記憶の移植のような形で、懐いた人のことや過去の出来事に基づいて形作られた性格などのデータを別の個体に移すこともできます。でも、「ハードウエアごとその子だ」という人も多くいらっしゃいます。そういう声を聞くと、ソフトウエアだけではなく、ハードウエアのメンテナンスも今後しっかり継続しなければと身が引き締まります。

Talking about GEN.

1.GENを見つけたきっかけ。導入の決め手。

→従来在庫管理・原価管理等をエクセルにて管理しておりましたが、事業拡大に伴い、マニュアル作業では限界を迎えつつありました。適正な原価計算を実施しなければならないことはもちろん、生産・購買・在庫管理まで網羅的に管理ができることに加え、視認性・操作性も非常にシンプルでわかりやすく、価格もリーズナブルに導入できるということも決め手となり導入させていただいております。

2.ご担当者さまにとってのGENとは?

→「見えない経理メンバー」だと思います。人間が実施しようと思ったらとんでもない時間になる作業を、視認性・操作性ともに高く助けられていて、事業の成長・店舗出店の拡大を陰で支える原動力となっております。複数名分の作業を、弱音を吐かずにコツコツと低費用で(笑)助けてくれる最強メンバーです。

3.GENの利用状況と今後チャレンジしたい機能など

→現在、LOVOT、服、グッズと管理の幅をますます広げておりますが、アイテム数がとても多いパーツ管理を、適正な原価管理をリアルに実施できるようにAPI連携にも挑戦しながらシフトしていくことで、会社全体の在庫を網羅して管理したいと考えております。また、今後AI機能も拡大されるということでしたので、業績分析や課題点・改善点の洗い出し等、多くの数字を管理する強みを生かして経営陣への上程も実施していきたいと考えております。

About GROOVE X

GROOVE X株式会社
所在地:東京都中央区日本橋浜町3-42-3 住友不動産浜町ビル
代表:林要
https://groove-x.com/

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GEN(ジェン)は事業規模を問わず、様々な業種・業態のニーズに合わせてご利用いただいております。お気軽にご相談ください。スペック表/料金表/各種資料のダウンロード、ShowRoomでの製品デモ予約や無料トライアルも受付しております。

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文明の進歩で生まれた“心の穴”を埋めるロボットーーLOVOTが導く、人が幸せでいられる未来(後編)

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